胆道癌セカンドライン Liposomal Irinotecan (nal-IRI) 療法の有効性

がん関連

米国臨床腫瘍学会 (ASCO) 2021の注目演題で Liposomal Irinotecan (nal-IRI) ナルイリ、通称オニバイド療法の胆道癌セカンドラインの有効性が示されました (NIFTY試験) 。

ナルイリは、韓国での開発が強い背景があるようです。
国内では、今回の結果をふまえても、胆道癌で使用できる日は遠いでしょう。また、2年前のASCO で注目された ABC-06 試験で、セカンドライン FOLFOX の有効性が示されていますが (https://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045(21)00027-9/fulltext)、国内では今でも FOLFOX は届いていません。S-1 のみのガラパゴスです。
今回 ランダム化第2相試験ですが、ABC-06 よりもサンプルサイズを上回っていて、対照もBSC ではなく化学療法でしたので、有効性について ナルイリ(オニバイド) > FOLFOX という解釈でよいでしょう。

胆道癌領域は、今後、免疫チェックポイント阻害薬の躍進や、FGFR2, IDH1, NTRK, HER2, BRAF-V600E が標的となる幾つかの分子標的薬も数多くあり、治療戦略のバリエーションが増えるがん腫となりそうです。

大場 大

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東京目白クリニック院長 医学博士 外科学・腫瘍学・消化器病学の専門医。大学病院レベルと遜色のない高度な医療が安心して受けられるクリニック診療を実践しています。

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大場 大

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外科医 腫瘍内科医 医学博士     1999年 金沢大学医学部卒業後、同第二外科、がん研有明病院、東京大学医学部附属病院肝胆膵外科 助教を経て、2019年より順天堂大学医学部肝胆膵外科 非常勤講師を兼任。2021年 「がん・内視鏡・消化器」専門の 東京目白クリニック 院長に就任。これまでになかった社会的意義のある質の高いクリニックを目指す。書籍、メディア掲載、講演、論文業績多数。

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