米国臨床腫瘍学会 (ASCO) 2021の注目演題で Liposomal Irinotecan (nal-IRI) ナルイリ、通称オニバイド療法の胆道癌セカンドラインの有効性が示されました (NIFTY試験) 。
ナルイリは、韓国での開発が強い背景があるようです。
国内では、今回の結果をふまえても、胆道癌で使用できる日は遠いでしょう。また、2年前のASCO で注目された ABC-06 試験で、セカンドライン FOLFOX の有効性が示されていますが (https://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045(21)00027-9/fulltext)、国内では今でも FOLFOX は届いていません。S-1 のみのガラパゴスです。
今回 ランダム化第2相試験ですが、ABC-06 よりもサンプルサイズを上回っていて、対照もBSC ではなく化学療法でしたので、有効性について ナルイリ(オニバイド) > FOLFOX という解釈でよいでしょう。
胆道癌領域は、今後、免疫チェックポイント阻害薬の躍進や、FGFR2, IDH1, NTRK, HER2, BRAF-V600E が標的となる幾つかの分子標的薬も数多くあり、治療戦略のバリエーションが増えるがん腫となりそうです。
コメント